ロナヴァラ・カンダラ(Lonavala/Kandara)
西ガート山脈の不思議な形にそびえる山々とその合間に刻まれた深い渓谷が織りなすくっきりとした地形、きれいな空気はインド大都市の大気汚染に疲れたわたしたちを癒す。
ムンバイ・プネ市民の休日ハイキング・スポットである。
晴れた日には、少し丘を登ればデカンの大地と台形をした山々が見渡せる。
モンスーンの時期がシーズンで、美しい緑のロナヴァラを楽しめる。
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デカンの山
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−石窟
ヴィハーラ窟の遠景
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カルラ石窟(Karla Caves) 入場料:2USドル(100ルピー)
アジャンタ石窟にまた出会えた気分で、感激した。
この石窟は紀元前160年ごろ掘られたとされる仏教チャイティヤ石窟だ。
ノミの跡がくっきりと残っていて、手で触ると昔の人の仕事の様子が見えてくるようだった。
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入口には、インドのシンボルでもあるライオン・ピラー(柱の上で四方を向いて座るライオン像)、また象の上であぐらをかくブッダの彫刻など。
優美に踊るカップルの彫刻も、美しい。
中に入ると、ドーム型の高い天井に十数本の柱とストゥーパ。
石柱はとても滑らかに、そしてまっすぐに仕上げられていて驚く。
チャイティヤ窟のほか、僧侶の居室として使用されていたヴィハーラ窟もある。
石窟脇に例のごとく色鮮やかなヒンドゥー寺院があり(これは絶対紀元前に建てられたものではない)、たくさんの人々が参拝しているのはよいのだが、石窟の中から昔のロナヴァラの大自然がどのように見えたのだろう、と古代にちょっと思いを馳せたいわたしたちの想像力を、見事に妨げるのが残念なところ。 |
ライオン・ピラー
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ふもとの駐車場から、階段になった坂を登っていった丘の上にある。
参道も兼ねているこの坂の脇にはさとうきびジュース、清涼飲料などの飲み物や、お土産を売るお店がたくさん並ぶ。
丘の上からの景観もすばらしいが、坂を登りながら眺める景色もなかなか。
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象の上のブッダ
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バジャ石窟(Bhaja Caves)
プネからロナヴァラへ向うローカル列車の終着駅ロナヴァラのひとつ前、Malavali駅で下車し徒歩25分ほどのところにある小さな町Bhaje。
そこにあるバジャ石窟は、カルラ石窟によく似て、規模を小さくした感じ。
チャイティヤ窟の隅々に、日没の陽射しが入り込むように設計されている。
南側の石窟は、神々と女神の像で縁取られている。
ベドサ石窟(Bedsa Caves)
ムンバイ−プネ幹線道路上付近にあり、Kamshetというところに近い。
バスでも乗合トラックでも訪れることができる。
規模はカルラ石窟と同じぐらいだが、道路から若干外れているために観光客の数は少ない。
カルラ石窟と同様、ライオンピラー、広いチャイティヤ窟、僧侶の居室ヴィハーラ窟などが見られる。
ライオンや、人の形に滑らかに仕上げられた柱がある。
ここで祈る人々を、陽射しがまっすぐに降り注ぐような設計になっている。
これらの3つの石窟群はマラティ語で「レニー(Leny)」と呼ばれ、この地の名称「ロナリ(Lonali)」の語源とされ、のち「ロナヴァラ」となったと言われている。
−絶景スポット
ラジマチ・パーク(Rajmachi Park)
ムンバイからロナヴァラへ向う途中のガート山脈の手前に、公園として整備されている絶景スポットがある。
ここからの眺めのすばらしさを表現する言葉が見つからないので、とりあえず訪れてみてください。
日没時に訪れるのがおすすめ。
台形をしたガートの山々に赤い夕日が反射し、またくっきりとした影が深い谷間をさらに際立てて、不思議な恐ろしさを感じる。
家族連れなど観光客が多く、とうもろこし売りなど屋台も多いため、ごみも多くて残念。
リェウッド(Ryewood)
ロナヴァラ近郊にある大きくて美しい庭園。
広大な敷地には高い木々が幹をなす。
英領統治時代の官吏Mr. Ryeがこの地にしばしば滞在していたことが、リェウッドの森の名前の由来とされる。
またマラティ語で深い森のことを「Rai」と言うことが語源である説も。
マハーラシュトラ州森林局によって管理されている。
クネ滝(Kune Falls)
約30mの高さから流れ落ち、渓谷をうるおす滝。
ロナヴァラとカンダラの中間にある。
ムンバイから来る途中のカンダラガートから見ることができる。
水の流れはモンスーンの降水量によって決まる。
ロナヴァラではこのほかにもたくさんの絶景スポットや湖、またヨガセンターなどがある。
−カンダラ
ムンバイ−バンガロール・ナショナルハイウェイ上を通過してカンダラへ来たならば、ぜひコポリ−カンダラ(Khopoli-Khandala)ガートへ登ってみよう。
標高369m、頂上までの距離は8km。
このガートのハイキングはなかなかきつい。
だが頂上からのカンダラの眺めは価値がある。
チッキの売店
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−ロナヴァラ名物
ロナヴァラ市街に着くと、まず目につくのが「チッキ(Chikki)」の看板を出したたくさんの商店。
チッキとは、ナッツやゴマ、ドライフルーツなどをアメで固めてチョコレート形にしたお菓子で、この地方の名産。
かなり固いものも、サクサクとしたものもあり、味も材料のバラエティーもたくさん。
多くの買い物客でにぎわう商店に立ち寄れば、試食もさせてくれる。
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カシューナッツ、アーモンド、ピスタなどのナッツ類を使っているチッキは値段が高く、1kg3−400ルピーぐらい。
一方チョコレート、イチゴなどのフレーバーものやココナッツなどを使ったものは5−60ルピーから100ルピーほど。
また、少年たちが売り歩く3つで10ルピーのパック入りチッキはお土産にどうぞ。
チッキのほか、ナッツの入ったチョコレート・ファッジもとてもおいしい。
この町ではジャム、蜂蜜などの種類が豊富に手に入る。
−ガイド
1日200−300ルピーでロナヴァラの観光地や絶景ポイント、湖、公園など、観光地へ案内してくれるガイドを雇える。
ロナヴァラの歴史などに必ずしも詳しいわけではない。
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