ロナール(Lonar)
ここは、超高速で衝突したとみられる、壮大な隕石のクレーターを見ることができる場所だ。
あまり知られざるロナール・クレーターは、世界で5番目に大きなクレーターであり、3番目に大きな塩湖である。
この地に隕石が衝突したのは5万年以上前であるとされている。
周囲約7キロ、直径最大1.6キロの巨大なボウル形である。
クレーターのくぼみのなかが、塩分を含んだ湖になっている。
1823年、イギリス人官吏だったアレキサンダー氏(C J E Alexander)によって初めてこのクレーターが発見された。
しかしながらそれ以前にも、ロナール・クレーターのことに関する記述はしばしばインドの古文書にみられ、むかし湖のほとりに塩の製造所があったらしいことがわかっている。
近隣には小さなヴィシュヌ寺院などハマドパンティ様式のセメント類を使わない建物がちらほら見られる。
これらの寺院のほとんどは今やコウモリや鼠のついの棲み家となってしまっている感じだが、ゴムク寺院(Gomukh Temple)一つはいまだ巡礼者が訪れつづけ、建物も建築当時の形をとどめている。
恒久の宇宙を感じさせるクレーターのふちにある、年中人の絶えないこの寺院も興味深い見どころである。
もっとも魅力的なものといえば、何と言ってもクレーターの中に住んでいる無数のクジャクの群れだろう。
クレーターは天然のサンクチュアリーであり、クジャクのほか、ラングール、ヘビ、オオトカゲ、マングース、キツネ、鹿などを見ることができる。
この地域の観光促進のため、マハーラシュトラ州観光開発公団(MTDC)はクレーター観覧観光コンプレックス(Crater
View Tourism Complex) を建設した。
ゲート・シティーのアウランガーバードから、アジャンタ、エローラ、ダウラターバード砦観光のついでに、ロナール・クレーターへ足を伸ばしてみてはいかがだろうか。
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