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ダウラターバード砦
入場料:2ドル


今でこそ、土産物屋や観光客で賑わう一大観光地。
雨季の只中、曇ったり晴れたり降ったりの、落ち着かない天候の頃訪れた。
少々蒸し暑かったが、気候的にはこの地方を真夏に襲う地獄のような暑さからは免れ、ちょうどよかったのではないかと思った。

1308年、デリーのスルターン(ムガル皇帝)が「富の都」という意味のダウラターバードに目をつけ、この地へ首都を移転した。
しかしすぐに気の変わったわがままなスルターンは、わずか30年してデリーへ引き返したという。
そのきまぐれに、老いも若きも、男性も女性も、富豪も貧乏人も、全ての人民が振り回された。

王様の居城に至るまで、7段階のセキュリティで、堅牢に守られた砦だ。
敵になった気分で、砦内を散策してみた。
今日は、はるか丘の上に見える、王様の住まいまで、がんばって攻め込もう。

第1の門をくぐると、そこは何の変哲もない広場。
あちらこちらに、大砲や、銃のための穴が開いている。
しーんとしていたら、それはそれでやっぱ嫌な予感がするんだろうな。

続いて第2の門。
狭い通路の両脇に、そそり立つ石造りの壁。
小さく開いた穴からは、熱くたぎった油を敵は注がれていたという。
ヒョエー。

ここを無事突破し、第3の門をくぐれば、次の門まではなだらかな坂の穏やかな散歩道といった感じ。
この辺りまではふもとの平地にあり、この砦は地上砦(Ground Fort)と呼ばれる。
巨大な貯水タンクや、ダウラターバードのシンボル的存在の、高くそびえるピンク色の物見塔、チャンド・ミナールが見物できる。
今回、ここを右へ行った場所に置いてある5メートル半の長さの大砲を見ることはできなかった。

また、ムスリム皇帝の砦にありながら、今の世にも大切にされているヒンドゥ寺院もおもしろい。
宰相の1人がヒンドゥであったとされる。
日本の神社を思わせる、だだっ広い広場に漂う凛とした静けさがいい。

少しずつ急な上り坂になってきたところに第4の門。
階段や坂が増え、暑さとともに一気に体力が消耗する感じ。
今でこそ、緑や蔦で覆われている砦だが、往時はさぞ威圧感があったことだろう。

りっぱな壁や城壁を眺めながらしばらく登ると、12メートルの深さの濠がある。
小さな橋を渡ればいよいよ要塞へ突入である。
水位が低ければ、現在は閉鎖されているが階段で渡ることもできたようだ。

通路は狭く、垂直に切り立った岩は76メートルの高さがある。
ぐるりと回ると小さな広場に狭い階段、これまた小さな入口があり、中へ入ったら真っ暗闇。
階段がどこにあるのか、足で探りながらこわごわ登る(下りはもっと恐ろしい)。
どうやら階段はらせん状に渦巻いているらしく、昔はトーチを燃して通過し、敵が来た際は容易にブロックできた。

冷や汗をかきながらここを通過すれば、またなだらかな階段状の坂があり、高さ183メートルある要塞のてっぺんまで、あとわずか。

丘の頂上に冠のように鎮座する白い建物、王様の宮殿へついに到着。
現在は、往時をしのばせる豪華な装飾は、ほとんど残っていないのが残念だが、がんばって登ってきた観光客は、思い思いに一休みしている。
かわいい灰色のリスが、行ったり来たりしている。

ここで終了と思いきや、よく見るとさらに上へ登る階段があった。
大砲が安置されている以外は何の変哲もないところだが、そこからの景色はまさに王様気分!
夕方も5時を回り、涼しい風が吹いてとっても気持ちよかった。

周囲の田園風景と、どこまでも続く地平線。
おや、あそこに見えるのは、雨雲。
雨がこっちへ来ないうち、ふもとへ引き返そう。
地上へ降りたら、一目散にリムカを。

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歴史、交通は後日アップします。お待ち下さい。(2004年8月12日)


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