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空の向こうを見つめて
2004.6.22(火) Pune Newsline

この美しい世界を、彼は見ることができないかもしれないが、明らかにその美から少なからぬインスピレーションを受けていることだろう。
その鋭い感性が、この視覚障害を持つ23歳の青年クルディープ・ラワル(Kuldeep Rawal)さんを、この街期待のミュージシャンにした。

ラワルさんがギネスブック世界記録2001年版に記載されることになったのも、別に驚くことではないかもしれない。
主役を務めたマラティ語劇「Swatantryachi Yashogatha(初演1997年)」が、視覚障害を持つ俳優への配役が最も多いことで記録された。

マハーラシュトラ州で25回の公演を数えたこの興行について、
「この演劇の主な目的は、わたしたち(視覚障害者)がどれほどのことができるか、そして持っている能力は皆同じだということを多くの人に知ってもらうことだった。テーマはインドの自由独立運動の黄金時代に生きた人々についてで、一般的に盲学校で公演した。」
とラワルさん。

演技の一方、音楽にも情熱を注ぐ。
学業最終年の今年は、よく知られた指導者による指揮のもと、ムンバイにベースのあるAkhil Bhartiya Gandharva Mahavidyalaya Mandalへの入学試験の準備に忙しい。
また、自宅のあるコレガオンパークでは、視覚障害者を対象に音楽を教えたり、地元のコンサートに出演したりもしている。

ラワルさんの虜になっているものはこれだけではなく、スポーツにも長けている。
インド視覚障害者スポーツ協会が1999年に開催した大会で、多くの競争者を押さえて勝ち抜いたこともある。

「賞などといったものは、自分に自信を与えてくれる一要素に過ぎない。人生はミュージカル・ジャーニーだ。普通の才能を普通以上の才能にしたいんだ。」

現在は弁護士になるのが夢というラワルさんだが、音楽は「初恋」であり続けるだろう。
「インド古典音楽を追求したい。」
と、自分の運命を予告するかのように語った。

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盲目の天才芸術家が、ここにも。


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