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インドをもっと知ろう!

コルカタのMillion Dollar Babyたち
2005.5.30(月) Reuters

毎日午後になると、ごみごみしたイスラム街から、ベールをかぶった若い女性たちがコルカタ市内の公園へ続々と出掛ける。
そして民族服を脱ぎ捨て、Tシャツにショートパンツ、ボクシング用グローブに変身する。

2時間、トタン屋根を葺いただけの仮設のボクシングリングで汗を流す光景は、付近で遊ぶ子供たちの格好のエンターテインメントとなっている。
20人あまりのこの女性たちは各自、部屋数一つ、共同トイレ、水道もない住居に大家族で住まう。

アメリカの有名ボクサー、モハメド・アリの娘ライラ・アリ(Laila Ali)に感銘を受け、貧しい女性に乏しいキャリア機会しかないこの国で、貧困から抜け出す道として、ボクシングを見出した人も多くいる。

女性ボクシングは既に、過去3回のオリンピックでメダルを一つずつ獲得するなど、スポーツ文化がクリケットに偏るインドに浸透しつつある。
ライトフライ級マングテ・マリーコム(Hmangte Marykom)選手は2003年、世界ボクシング選手権でチャンピオンとなった。

「女性、特にムスリム女性にはいまだ馴染みの薄いスポーツをやりたかった」
冒頭の女性、24歳のラズィア・シャブナム(Razia Shabnam)さんは語ってくれた。

家族の反対

家族の強固な反対を押し切り、シャブナムさんは近所に住む友人たちをさそってボクシングを始めた。
彼女は今、コーチとして、そして国際レフリーとして活躍する。

コルカタのガンジス川沿いにあるスラム、キッダーポール(Kidderpore)地域から立ち上がったシャブナムさんに、今多くの若い女性が共感している。
また、2002年のコモンウェルツ(Commonwealth)ゲームで金メダルを獲得した、ライトフライ級モハンメド・アリ・カマール(Mohammed Ali Qamar)といったインド人男性選手の活躍も、大いに刺激となっている。

貧しい女の子がボクシングを始めるというのは、あまりインドでは聞かない話だ。
しかしシャブナムさんの父、ラハト・フセインさんは、
「娘は頑固一徹で、私としては(反対の)態度を緩めざるをえなかった。」
と心境を明かした。

粘り強いシャブナムさんを見て、近所に住む女性たちも次々加わった。
「母は、顔に傷が付いたらお嫁にいけなくなるって心配しますが、わたしはボクシングが大好きで、やめたくないわ。」
ボクシング女性の一人、シャキラ(Shakila)さんはにこやかに語る。

強い女性

ボクシング協会会員アシット・バネルジー(Asit Banerjee)氏は、地域のリーダーから異端と判を押される前に、ムスリム女性たちに会員になるように薦める。

実際彼女たちへ影響を与えたわけではなかったものの、ハリウッド映画「Million Dollar Baby」を例にあげ、「きっとこの時代は来るだろう」と、バネルジー氏は読んでいる。
「彼女たちの人生で、心身ともに変化をもたらすことが私の使命。強い女性、そして強い母となってほしい」

彼女たちは今、自分の所属する社会からの、女性ボクシングに対する偏見に絶え、乗り越え、スポーツに献身する。

「ボクシングはわたしの人生。生きる目的。死ぬまで続けるつもりです」
アフロズさんは強く語った。


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他人からの影響という面では、このコミュニティはもっと一直線なのではないかと思います。将来が楽しみです。

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