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インドから
2004.10.19(火)

インドに来てやっと1年が経った。 
長かったような短かったような1年だった。 
とにかく、1年経った。 

この1年を振り返り、大なり小なりカルチャーショックを受けたなかでも、わたしが最も助けられていること、いい意味での「リセット」について紹介したい。
 
それは、過去の失敗や過ちを、いつまでも引きずらず、それはそれとしてさらっと切り替えて、現在と未来にもっと重きを置くこと。
自分のはもちろんのこと、他人のも、きれいさっぱり忘れる。
「昨日までの自分はイマイチだったが、今日からは心を入れ替えるぞ!」と再スタートできるチャンスに恵まれているのだ。 
特にわたしのような、未熟者にはとてもありがたい。 

日本でだったら、一度失敗をやらかすと、卑屈になって肩身が狭くなりそうだが、こちらでは過去の失敗はそれほど問題視されない。
もちろん、何度も同じ失敗をして、それについて反省することなく怠惰な態度でいれば、人からの信頼を失うことはどこの国でも避けられないだろうが。

わたし個人に関して言えば、始めの頃からつい最近まで、インド家族との付き合いに時々難しさを感じていて、時々一人になりたいと言ったりして家族を心配させたことが多くあった。

同じ家の中にいるのに、一人引きこもったりすることは、こちらの人は全然理解できない。
「家族なのに、悩みがあるならどうして話してくれないのか、心を開いてくれないのか」と考えるわけである。

「あなた方とのコミュニケーションが難しい」などと面と向かって言えるわけがなく、時には一人で勝手な行動をしてきたわたし。
しかし、最近こちらの生活に少しずつ馴染んでくるにつれ、マラティ語も少しずつ話せるようになり、明るく笑顔になることもできるようになった。
家族との付き合いも、まだ一歩引いたところからではあるが、楽しめるようにはなってきたように思う。

そうなれば、誰も過去のことなんて気にしないし、思い出さない。
今のわたしが本当のわたし、最高のわたしだと、励ましてくれるのである。

人間誰でも失敗や過ちを犯すが、そこにこだわってばかりいても、時間はどんどん過ぎていくばかり。
できるだけ早く立ち直り、以前の自分を反省しつつも生まれ変わってリスタートすることは、短い人生を有意義に過ごす上で必要なことだと思う。


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