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ガネーシャ祭り
2003.8.29

ガネーシャとは、象の頭に人間の体をした、数あるインドの神様の中で、国民にもっとも親しまれている神様の一人です。
スタートの神様ガネーシャを祝うことで、新しいことへの幸運を祈る意味があります。

いまインド中で祝われているガネーシャ(ガナパティ)祭りは、少なくとも250年前、もしくはさかのぼるとすでに12世紀には存在したと言われています。
インドの中でも、特にマハーラーシュトラ州プネボンベイ(ムンバイ)での祝われ方が、もっとも盛大でポピュラーです。 
 
初期のガネーシャ祭りはつつましく、家庭のお祭りといった感じで、せいぜい2日程度のものだったようですが、18世紀、時のマラータ王国の王マダヴラオ(Madhavrao, 1761−72)の時代には6日間の行事に拡大されました。

現代の国民行事としての非常に大規模なガネーシャ祭りのスタイルが確立されたのは、1894年、当時マラータの政治家で、インド独立運動家でもあり、「ロカマンニャ(Lokamanya)愛される人」と呼ばれ人々に慕われていたバル・ガンガダル・ティラク(Bal Gangadhar Tilak)によってでした。
それまで各々の家やコミュニティで祝われていた祭りでしたが、ティラクはこれをインド独立への足がかりの一つとして公の祭りにしていきます。

ティラクは、それぞれの住宅地、商店街や市民団体などからの寄付を募らせガネーシャの大きな神像を建て、そこに人々が集まるようにしました。
次に、今までバラバラだったガネーシャ祭りの日程を統一し、期間を10日間としました。

めいめいのマンダプで上演されるのは世相を反映させた演劇、それも出演者たちは軍服を着、独立へのスローガンを叫び、自由への歌を歌いました。
このようにして、ティラクは「伝統的な宗教行事を通して、一般の村人たちを独立運動に親しませ」独立運動を加速していくためにガネーシャ祭りを活用していきました。

現代のガネーシャ祭りは、ティラクの時代の名残で規模は大変盛大ですが、純粋に文化、宗教的伝統をしっかりと尊重した祝い方に戻って、人々は楽しみます。
ガネーシャの大きな神像はイルミネーションやインド独特の色とりどりな飾り付けで、その美しさを競いあうのです。

この伝統的な祭のテーマは、現代風の明るさを大いに反映し、政治、スポーツ、エンターテインメント、科学技術など人々の注目を集めるもののほか、企業の宣伝広告を兼ねるなど、資本主義文化を多分に盛り込んだスタイルになってきています。

関連リンク(English) ――
+ アートに見られるガネーシャ神
+ 2002年ガネーシャ祭の映像(Windows Media Player)


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